「コラムって何を書けばいいの?」2025年版・社労士のための注目テーマ例と書き方のヒント
「ホームページにはコラムを載せた方がいい」
そんな話を耳にされたことがある先生も多いのではないでしょうか。
実際、サイトの更新が止まっていたり、情報が古いままだったりすると、初めて訪れた方が「この事務所は今も活動しているのだろうか」と不安に感じてしまうケースもあるようです。
とはいえ、コラムを書こうと思っても、「何を書いたらいいのか分からない」「専門的すぎても読まれないのでは?」と手が止まってしまう先生もいらっしゃるかもしれません。
今回はそんなお悩みの一助となればと思い、2025年の労務トピックの中でも、比較的“書きやすく”“読まれやすい”テーマのヒントをまとめてみました。
目次
「誰に届けたいか」を想像してみる
コラムを書く際、まず意識しておきたいのが「誰に向けて発信するのか」という点です。
顧問先の人事労務担当者をイメージするのか、経営者層に語りかけるのかで、テーマの選び方や表現のトーンが自然と変わってくるのではないでしょうか。
たとえば、従業員規模が数十名程度の企業であれば、「就業規則の見直し」「社内での制度の整備」など、比較的身近な課題に関心があるかもしれません。
また、最近よく受けた相談や、自分が「これは他の企業にも共有したい」と感じた事例などから逆算してテーマを選ぶ、という方法もひとつの考え方としてあるように思います。
2025年のコラムテーマ選びに役立つトピック例
ここからは、2025年に特に注目されそうな労務分野のテーマをいくつかご紹介します。
制度の概要を分かりやすく伝えたり、先生ご自身の視点を添えたりすることで、読者との距離を縮めやすくなるのではないかと感じています。
■ 法改正や制度対応:実務担当者の“困りごと”に寄り添うテーマ
2025年4月からは、短時間労働者への社会保険適用拡大が予定されており、従業員51人以上の企業が対象になる見込みです。
中小企業にとっては、事務負担の増加や人件費の見直しといった対応が求められる場面となるでしょう。
こうした制度変更は、特に人事・経理まわりを一手に担っている企業の担当者にとっては、具体的な手続きや判断のポイントが気になるところです。
「準備の進め方」「就業規則や雇用契約書に与える影響」などをテーマに取り上げることで、信頼感のある情報発信につながるかもしれません。
同様に、2024年からスタートした定額減税についても、住民税の控除や対象者管理などの運用面で混乱が生じる可能性があります。
簡潔な制度紹介とともに、「実務上注意したいポイント」を押さえた記事は、読み手にとっても有益に映るのではないでしょうか。
■ 採用・定着支援:人材不足時代ならではの関心テーマ
人手不足が長期化している今、「採用できても、すぐ辞めてしまう」といった声を聞く機会が増えているように思います。
このような背景から、「定着しやすい職場環境を整えるには?」という観点での発信も、有用性が高いテーマではないでしょうか。
たとえば、ハラスメント防止のための社内ルール整備、柔軟な働き方に対応する就業規則の見直し、副業・兼業の取り扱いに関するルールづくりなどです。
企業側がどこまで対応すべきか迷う場面において、社労士としてできる助言や支援のヒントを提供してみてはいかがでしょうか。
「こんなケースではどう考えるか?」という例を交えて紹介することで、読者が自社を省みて考えるきっかけになるかもしれません。
■ 実務に役立つ豆知識:よくある質問を“コラム化”する
実際の業務の中で「またこの質問か…」と思うような内容は、意外とコラムの題材として適しているようです。
たとえば、
- 雇用契約書に盛り込んでおくべき内容とは?
- 有給休暇の時季指定義務ってどうなっているの?
- 労働条件通知書と雇用契約書、どう違うの?
など、法律そのものというよりも、「実務的にどう対応したらよいか分からない」と悩まれやすい話題が候補になるかもしれません。
社労士の先生方にとっては基本的なことでも、企業の現場にとっては「目からうろこ」の内容になるかもしれません。
■ 自分の考えや姿勢が伝わる記事も“選ばれる理由”に
あまり読まれないのでは?と感じられるかもしれませんが、実は“意見”や“姿勢”が伝わる記事も、印象に残りやすい要素のひとつです。
もちろん、断定的に書く必要はありませんし、法的な解釈を過度に広げる必要もないと思います。
それでも、「こうした制度改正に対して、現場ではこんな声もあるようです」「このような方向性も今後検討されるかもしれませんね」といった、一歩引いた立場からのコメントを添えることで、「この先生、信頼できそう」と感じていただけることもあるのではないでしょうか。
読まれるためのちょっとした工夫
書くテーマが決まったら、読みやすさにも少しだけ意識を向けてみてもよいかもしれません。
たとえば、
- タイトルに「〜とは?」「3つのポイント」などを入れると、検索されやすくなる傾向があります
- 専門用語はなるべくやさしい言葉で言い換える
- 導入文に「このテーマを選んだ理由」や「よく聞かれる内容で…」といった一文を入れると、読み手の興味を引きやすいです
また、書式のテンプレートや厚労省のリンク、社労士会の資料などを合わせて紹介することで、“保存しておきたくなるコラム”にもなり得ます。
まとめ:発信の積み重ねが、信頼のきっかけに
コラムは、決して完璧である必要はありません。
むしろ、「最近気になったこと」「よく聞かれる話題」など、ちょっとした気づきを言葉にしていくことで、読者との接点が自然に生まれていくように感じます。
特に2025年は、法改正・制度変更が多く、企業の人事労務担当者が不安を抱えやすい年とも言えるかもしれません。
だからこそ、社労士の立場から分かりやすく情報を伝えることは、「頼れる存在」として記憶に残るきっかけになるのではないでしょうか。
小さな一歩の積み重ねが、事務所の“安心感”や“信頼感”につながることもあるかもしれません。
できる範囲で、無理のないペースで、まずは1本目を書いてみてはいかがでしょうか。